【マンション売却時の囲い込みとは？】
マンション売却で気をつけなければならないことはたくさんありますが、その中の一つに”囲い込み”というものがあります。あまり聞きなれない言葉ですが、不動産業界用語の”囲い込み”とは一体どんなものなのでしょうか。
囲い込みというのは、ざっくりと説明すると営業妨害をして自社の利益を倍にしようぜ！というものです。ユーザーを自社に誘導させることで、売主と買主両方から仲介手数料をゲットするという超姑息な方法になります。この囲い込み、大手不動産会社がよくやっている方法です。
不動産売却依頼を受けた不動産会社は、この物件を自社だけで販売するのではなく不動産業界全体で情報を共有して、よりたくさんの不動産会社で販売するようにします。「売却をお願いします！」と委任契約を受けた不動産会社が、わざと物件情報を隠したり独占するのは法律でも禁止されている行為になります。媒介契約を受けたら決められた期限内にレインズへ登録することも義務付けられています。
レインズとは：不動産間で不動産情報を共有することが出来る情報システムで一般の人は見ることが出来ません。
レインズへ登録することによって、委任契約を受けた自社だけではなく全国各地にある不動産会社からの顧客を集めたり営業力を利用することが出来るのです。不動産会社業界で力を合わせることで、その物件をより早く・適正な価格で売ることが出来るシステムがレインズなのです。
そして囲い込みは、レインズには登録しているけど他の不動産会社には絶対物件を紹介しないという方法。非常に姑息です。
【知ったらドン引き！囲い込みの方法！】
囲い込みがどういったものなのかを知ったところで、今度は囲い込みの方法についてです。その方法は、囲い込みを行っている不動産会社によって様々ですが、代表的な方法というのが・・・
１．販売協力会社からの連絡を無視！取り次がない！とにかくスルー！
２．販売協力会社の広告活動を一切承認しない、渋る！
３．販売協力会社の内覧希望者を一切承認しない、渋る！断る！
４．そもそも、販売協力会社に一切紹介をしない！断固阻止！
同じ業界でも、ライバルには変わりないので囲い込みを行っている不動産会社というのは情報を共有することもなく、とにかく営業妨害をします。囲い込みを行っている不動産が公開している不動産は、販売協力会社が営業をかけようとしても上記の方法により自由に営業することができないという問題が。
基本的に不動産仲介を行っている不動産会社の収入源というのは、売主・買主などから貰える仲介手数料になります。
売却の依頼を受けた不動産会社Ａは売主からの仲介手数料をゲット！一方、購入依頼を受けた不動産会社Ｂは買主から仲介手数料をゲット！出来るシステムになっています。ですが、もし不動産会社が売主・買主の両方を見つけてくるとその手数料は２倍貰えるのです。美味しいのです。
ですので、囲い込みを行っている不動産会社というのは双方からの仲介手数料欲しさに”一応レインズには登録するけど、物件は紹介しないよ？だって手数料２倍欲しいもん♪”というトンデモな方法を行っているのです。
囲い込みをしている不動産会社に「その物件を買いたい人がいるんですよ～」と連絡をしても「その物件は既に買いたいという人がいるんですよ～」だの「そちらの物件ですかー、あぁ本当惜しいですね！タッチの差で契約予定なんですよー」といった具合に本当は買いたい人なんていないのにうそをついて他の不動産会社から入った連絡を全て断ち切ります。
【囲い込みの何が悪いの？】
別に、売主・買主双方から仲介手数料をゲットするだけでしょ？こちらの手数料が増えるわけでもないし、別に関係なくない？？と思う方も多いと思います。
囲い込みの何が一番厄介かと申しますと、囲い込みを行っている不動産と契約してしまうと売主であるあなたの売却危機損失であったり、物件買い換え先の損失に繋がる恐れがあるのです。
どういうことかと申しますと、
例えば、経営や生活が厳しくて売却を検討している会社やご家庭の場合。囲い込みによって売却が遅れてしまうとその分、経営・家計の破綻に繋がります。買い換えの場合も一緒で、早く不動産が売れてくれないと買い換える計画がパーになってしまう恐れがあるのです。売れない！となると、住宅ローンをダブルで支払うことになり、家計を圧迫→破綻に！という恐れがあるという事になります。
売却をする理由は人それぞれですが、売却を検討している方の殆どは売れることを前提に計画を立てていると思います。ですが、この不動産が売れてくれない、もしくは当初予定していた金額よりも遥かに値下げをしての売却となってしまうと計画が全て狂ってしまい結局「売らない方が良かった」となる恐れもあるのです。
囲い込みを行っている不動産とうっかり契約をしてしまうと、こういった絶望しかない未来が待っている恐れがあるのです。さらに、ぶっちゃけると不動産会社というのは生ものを扱うような仕事とは違って原価のコストというのは殆ど掛かりません。ですので、囲い込んでる不動産が売れなくても別に大きなダメージがないのです。だから、同じ手間なら仲介手数料二倍♪を狙って囲い込みを行うのです。
【ラスボス級の悪徳不動産ではこんなこともしています！！】
大手不動産会社がよくやる方法の囲い込みですが、これがラスボス級の超悪徳不動産会社になるとその方法はもっと酷いものです。
「あちゃー！囲い込みをしたせいでお客来ないわー（笑）売主も結構ジリ貧だしどーしよっかなー（笑）あぁ、そうだ（笑）売主破綻するの待ってから競売で安く落札すりゃいんじゃね？（笑）よし！そうしよう！売主よ～早く破綻しておくれ～！」
ととんでもないことを企てる超悪徳不動産会社もあります。他の仕事と違って別にコストが掛かるわけではない不動産会社ですが、その物件が別に売れなくても仲介手数料が入らなくても、売却依頼をした売主が破綻してしまった後に物件をやす～い競売で落札☆するというもの。物件が売れようが、売れ残ろうが、売却委任契約さえゲットできればこの際どうでもいいのです。
ただでさえ、囲い込みは売主にとってなんのメリットも無い上に損をする事も多いのに、さらに破綻をするのを今か今かと待つ悪魔のような不動産会社というのは、町の小さな不動産会社より大きい不動産会社にその傾向があるような気がします。「これ、囲い込みじゃない・・・？」と思われる物件は売れていないものがゴロゴロしています。事前に囲い込みのことを知って不動産会社と契約するお客さんというのはあまり多くありません。せっかく会社を信用して契約してくれた売主を騙して隠して自社の利益のことだけを考える不動産会社は実は結構多いものです。
【ちょっとまって・・・？うちが契約した不動産会社ってもしかして囲い込みしてるんじゃないの・・・？】
実際、不動産会社と契約をした後に囲い込みの存在を知り、いくつか思い当たることがあるというお客さんは多いようです。
もし、契約してしまった不動産会社が囲い込みを行っている場合売主であるあなたには何のメリットも無い上に損をする可能性もあるので早々に専任・専属専任解除を行うようにしましょう。また、「大手だから安心だね～！」と名前だけで信用してしまうのは非常に危険です！大手ほど囲い込みを行っていることが多いので、不動産会社の知名度だけで大事な物件を任せるのは危険です！
そもそも、契約というのは信頼で成り立つものなのです。そこで囲い込みを行っているというのは、売主を裏切る行為でもあるので契約をする、大事な物件をお任せする不動産会社選びはかなり慎重になる必要があります。
【マンション売却では物件の囲い込みにも注意！ まとめ】
最後に、囲い込みを行っているかもしれない！囲い込みを疑うべきチェック項目を用意しておきます。是非参考にしてみてください。
１．売却依頼後、内覧希望が一ヶ月２～３組のみ
２．契約した不動産会社からひっきりなしに値下げの話を持ってこられる
３．ＨＰに掲載している物件が他の不動産会社や総合サイトでは掲載されていない
４．売却依頼をしてから一ヶ月以上経過しているのになんの音沙汰がない
実は大手であればあるほど両手であることが多いのです。信頼できる不動産会社を探す方法はいろいろありますが、”大手だから”と決めてしまうより様々な不動産会社を比較できる一括サイトなども上手に活用して厳選してみるのもオススメです。こういった一括サイトというのは、悪徳業者が潜んでいないかを定期的にチェックしているのでより安心して利用することができます。
既に契約をしてしまっている方は、双方合意の場合即日解約することも可能ですが原則三ヶ月で契約が切れるので契約が切れる前に信頼できる不動産会社を探しておくのがオススメです。
